リアルやWebにおける,観測可能な「人の行動データ」をもとに,以下3つの方針で研究を進めています.
- 人文科学分野の知見を用いて人の行動メカニズムを解明
研究テーマ例:行動経済学の知見に基づく行動原理の解明
私達はなぜ,数量限定の商品に惹かれたり,〆切間近まで仕事を先延ばしにしてしまうのでしょうか?その理由の1つは,私達が認知バイアスを持つためであると考えられています.認知バイアスとは,先入観や直感に頼って非合理的な意思決定をする心理傾向のことです.では,認知バイアスはどんな状況で発生しやすいのでしょうか?この研究では,人の「行動」や「状況」をデータとして収集し,データ分析と行動経済学の知見を組み合わせて,認知バイアスの発生傾向を定量的に明らかにすることを目指します.
- 情報科学の道具を用いて人の行動や意思決定をモデル化
研究テーマ例:機械学習を用いたマルチモーダルデータ分析や検索
人の行動予測や理解は,多くの産業分野で重要な技術です.例えば,交通の分野では人流予測によって混雑の回避策を検討できます.人の行動はマルチモーダルデータとして蓄積されます.マルチモーダルデータとは,テキストや画像,センサなど複数のデータ形式が組み合わさったデータ集合のことです.この研究では,マルチモーダルデータに対して,機械学習を用いてそれぞれのデータを適切に処理し,データ間の相互作用を最大化することで,人の行動予測や理解を実現する基礎技術の開発を目指します.
- 人の行動を変容・支援するための技術や方法論の構築
研究テーマ例:認知バイアスを考慮した個人適応型介入策の策定
上記でも述べたような人の不合理な行動は,どのような方法で良い方向に変えることができるでしょうか?方法の1つとして,Nudgeという介入策が知られています.Nudgeとは,認知バイアスを利用して人々の行動を無意識に導くための手法で,特定の選択をするようにさりげなく促すものです.現状,多くのNudgeは人々に対して一律の介入方針を提供します.この研究では,より効果的に人々の行動を変容するため,個人の認知バイアスの強弱を考慮したNudgeシステムを構築することを目指します.
観測可能な人の行動データとして,教員は以下のようなデータを想定していますが,この限りではありません.
学生自身が主体的にデータを収集することも支援します.
- FitbitやApple Watchなどのウェアラブルデバイスで観測できる生体データや位置情報
- 一人称視点で撮影された画像データ
- ORCID,researchmapなどで記録される活動や業績データ
- その他,研究テーマに関連するWeb上のデータやオープンデータ
研究室HP
面談の内容に基づいて,以下3つの観点を考慮して総合的に決定します.
- 受入の必須条件を満たしているか
- 研究をすすめる上で望ましい条件を満たしているか
- 大学院進学を希望しているか
面談方法
- メールで面談日時を予約します.
以下について記入したメールを,syamamoto [at] slis.tsukuba.ac.jpまでお送りください.
- 学籍番号と氏名
- 面談希望日時(10月9日(木)~10月21日(火)の期間で,都合の良い日時をご記入ください.
3つ以上の候補を列挙いただけると助かります.
- 希望する研究テーマ,気になっている研究キーワードなど
「指導可能な研究領域」を読んで,希望する研究テーマやキーワードを自由に記入してください.
- 教員から学生に面談日時をメールで連絡します.教員の都合がつかない場合はメールで日程調整をします.
- 学生と教員で対面で面談を行います.面談は30分前後です.
- 研究をすすめる上で望ましい条件や,興味がある研究テーマなどを質問します.
- 配属を希望される方は,山本研究室について気になっていることや,知りたいことがあれば質問してください.