本研究室では,「言語とは一体なんなのか」という問いを突き詰める研究を行っています.このために,「マルチエージェント強化学習」の枠組みを用いて,機械学習を搭載したエージェント群がコミュニケーションをゼロから獲得していくシステムを作ってみて,そのコミュニケーションが言語らしくなる条件やプロセスを分析するという構成論的なアプローチをとっています.以下のような研究領域に興味がある方を募集しています.
- 利己的で局所最適な方策に留まらずに,協調的で大域最適な方策が集団内に定着するようになる条件や手法を明らかにする研究.
- より良い協調のために,エージェント同士でのコミュニケーションが創発するようになる条件や手法を明らかにする研究.
- 創発するコミュニケーションシグナルが,人間の言語のような構造を持つようになる条件や手法を明らかにする研究.
- エージェント同士の創発コミュニケーションの分析から,生物のコミュニケーションの進化に関する謎を解き明かす研究.
最近の卒業研究テーマ:
深層強化学習を用いた集団創発言語において遺伝的進化が及ぼす影響 (2024)
個々の個体のスキルのサンプリングに基づく文化進化モデルの分析 (2024)
交渉ゲームにおける創発言語の構成性に関する研究(2023)
大規模言語モデルを用いた語用論的アプローチに基づく誤解可能性を考慮した画像情報ラベリング(2023)
組合せ最適化手法による語用論的概念ラベリング(2023)
マルチエージェント強化学習環境下でのコミュニケーション創発過程に関する研究(2022)
マルチエージェント強化学習における観察学習の創発に関する研究(2022)
Topic Modeling using Jointly Fine-tuned BERT for Phrases and Sentences(2021)
自然言語教示によるフレーズ抽出器の学習に関する研究 (2020)
以下のような研究室の活動を通して、研究のやり方を学んでもらいながら卒業研究を進めていきます.
- オフィスアワー(13:00-16:00,週2回程度):研究のフェーズに応じて,文献調査やアイデア形成,実装・実験,論文執筆などについて議論し,必要に応じて一緒に作業をしながら研究を進めていきます(長期休暇期間は任意参加).
- CiTL (Crowd-in-the-loop) Seminar(週1回程度):森嶋・伊藤研,鈴木伸崇研,松原研,金宣経研との合同ゼミです.学生の論文紹介を行ったり,学外から招いたゲストのトークセッションを行ったりしています.
- 各種勉強会への参加(不定期):書籍や論文の輪講を行う勉強会を行うことがあります.
- 卒業研究の成果発表:学会発表(JSAI ,DEIM,国際会議)を積極的に目指します.
研究テーマは,学生さんが興味を持っている題材に基づいて一緒に考えます.週2回程度のオフィスアワーをベースにして,以下のようなプロセスで研究を進めていきます.
- 文献調査:興味のある研究テーマに関連する論文をたくさん読んで,少しずつ問題意識の対象を絞っていきます.読んだ論文についてまとめた内容をプレゼンテーションしてもらいます.論文から何を読み取り,次に何を探せばいいのかといった点について,アドバイスします.
- アイデア形成:既存研究の調査を踏まえて,独自の観点を加えることで,オリジナリティのある研究テーマを形成していきます.
- 実装・実験:検証のための実験計画を立て,実装を行います.言語はPythonを使うことが多いです.
- 論文執筆:興味深い結果が出てきたらレポートにまとめ,それを論文に仕上げていきます.
面談により決定します.希望者が多い場合には,上記の「研究をすすめる上で望ましい条件」を多く満たしていると思われる方を優先的に受け入れます.
2026年卒研生向けオープンラボ
日時:2025年10月14日(火)14:30-16:00 場所:情報メディアユニオン403号室
(14:30-15:00:若林からの説明+相談会,15:00-16:00:先輩への相談コーナー)
※ 予約不要です.直接お越しください.
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