自然科学の一分野としての情報科学の目的は、自然法則の解明にある。
自然法則の多くは数学の言葉で記述されるため、情報科学と数学は不可分であり、情報が科学であるためには数学的裏付けが必須である。
具体的な研究の題材としては、数学的知識を実装し利用者に提供するシステムとしての数式処理(Computer Algebra)におけるアルゴリズムとその応用を想定している。近年、個人的には、「代数的手法による幾何定理の自動証明」「代数方程式の解の折紙による表現」「和算で扱われた計算幾何学の問題のコンピュータによる解析」などの研究に取り組んでいる。
実際の研究の進め方としては、各自が興味をもって採り上げたアルゴリズムについてインプリメントを行い、そこに用いられている手法や理論的根拠に対する理解を深めることを最初の目標とする。次に、そのプログラムを実際に動かして実験的評価を行い、可能であれば、アルゴリズムの効率化を考察する。
具体的なテーマは、関連する授業の中で幅広く探してもらいたい。卒業研究は学類カリキュラムの中の頂点に位置づけられるものであるから、これまでの履修科目の積み上げが重要である。したがって、理論的な裏付けのある問題であれば、難易度については各自の履修科目状況に対応するもので構わない。
興味のある分野を示してもらえれば問題探しに協力するが、こちらから一方的に問題を与えて解かせることは想定していない。
上記の研究分野からテーマを選択するには、以下に挙げるような関連する授業科目を積極的に履修しておくことを勧める。
「情報数学B(情報メディア創成学類)」「計算機数学I(数学類)」
「データ構造とアルゴリズム(情報学群各学類)」
プログラミングに関しては、言語やテクニックに通じているというよりは、基本アルゴリズムを正確に理解して実装できることが重要である。
(1) 10/9(木)~10/30(木)の間に面談(原則対面)を行い、想定されるテーマが指導可能な範囲に属しているかどうかについて合意すること。(この時点で具体的な問題まで絞り込む必要はない。)
(2) 基礎的な共通知識として、「情報数学A」「線形代数A」「微分積分A」の単位を修得していること。(3年次編入生については、編入学前の既修科目も含めて、総合的に判断する。)
履修科目の状況とテーマとの関連、および成績による。
事前にe-mailでアポイントメントを取ってください。
後刻、履修済科目の一覧の提出を求めることがあります。