卒業研究指導方針

筑波大学

2026年度 卒業研究指導方針

氏 名:村井 麻衣子
所 属:情報資源経営主専攻
研究室:7D506号室

指導可能な研究領域

・知的財産法(著作権法を中心に、特許法、商標法、不正競争防止法など)に関するテーマの研究を行います
・研究手法としては、判決や論文・概説書などの文献に基づいて、条文等の解釈論、あるいは立法論を論じることが中心となります
 
* 知的財産に関する話題やニュースに接することも多いかと思いますが、法律分野の研究を行うにあたっては、単に知的財産や著作権に関わるトピックを取り上げるのではなく、法律的なアプローチから検討できるような問題設定を行う必要があります
 
<テーマについて>
テーマの設定は、①知的財産法に関する判例・裁判例を検討する、あるいは②理論的な論点を検討する、という形が中心になります。最近では著作権法の改正が頻繁に行われているため、改正に関する研究でもかまいません。関連書籍・雑誌論文などを参考に、自分の興味のあるテーマをみつけてください。
 
<これまでの卒業研究のテーマ>
・AI生成物と著作権法
・入手困難資料へのアクセスの容易化 -令和3年著作権法改正を踏まえて-
・リツイート事件、著作権の保護期間
・音楽教室問題の検討-利用主体と公衆の判断について-
・音楽の著作物の類似性判断、著作権判例百選事件(編集著作物の著作者の認定)、応用美術(TRIPP TRAPP事件知財高裁判決以降の裁判例に着目して)
・印刷用書体(タイプフェイス)の法的保護に関する研究、音楽著作権管理団体について -JASRACを中心に-、二次創作としての同人誌に関する著作権侵害の判断基準、JASRAC音楽教室問題
・自炊代行訴訟控訴審判決、ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。事件(小説のドラマ化と契約)
・TRIPP TRAPP事件(応用美術)、日本版フェア・ユース、同一性保持権の濫用
・自炊代行訴訟、拡大集中許諾制度、ハイスコアガール事件、キャラクターの著作権
・図書館における複製と私的複製、釣りゲー事件
・私的複製(技術的保護手段、私的録音録画補償金制度)
・マジコン規制(不正競争防止法、著作権法)、まねきTV・ロクラクⅡ最高裁判決
・Winny事件
・パロディ、クリエイティブ・コモンズ、ゲームソフトと同一性保持権、私的複製(3ステップテスト)、視覚障害者と著作権
・著作権の保護期間、インクカートリッジのリサイクルと特許権、動画サイトの著作権侵害(米国法)、  物のパブリシティ
・図書館における複写サービス、番組録画サービス、応用美術
・国語教材事件、サムネイル表示による著作権侵害、のまねこ事件
・公貸権、同人誌における著作権侵害、電車男(電子掲示板の著作物)、P2Pファイル交換ソフト

研究指導・ゼミの概要

・原則として、学期中週1回もしくは隔週でゼミを行います。ゼミでは、各自の研究成果を報告してもらい、報告内容について議論を行います。ゼミには必ず出席してください。
・ゼミの開催方法は、ゼミへの参加人数によって異なりますが、オンラインを基本としつつ、対面を併用する予定です。
 
<ゼミの進め方のイメージ>
著作権法の基礎を確認してから(目安:12月~3月:プレゼミ)、各自のテーマに関連する資料の内容の発表してもらったり(目安:春AB頃まで)、自分の卒業論文の一部を発表してもらう(目安:春C以降)という形で進めます。着手・中間・最終発表会の前には、発表資料の確認や発表練習を行います。9~10月頃までに論文の初稿を完成させることを目指し、11月~12月にはその修正や最終発表会の準備を行うイメージです。ゼミで検討や議論を重ね、考察を深めていく過程を大切にしています。

研究をすすめる上で望ましい条件

・知的財産概論、知的財産権論A、情報社会と法制度、情報法などの法律関係科目が関連するため、できれば履修しておいてください。履修中でもかまいません。
・特に、知的財産権論A(秋AB開講)では、法律文献の調べ方、判決の読み方など、法学の研究を行う上で必要な知識を実践的に学ぶことができるので、知的財産法の研究を希望する場合はぜひ履修してください。

受け入れの条件

・訪問期間中に面談すること
・面談等を通じて、テーマや研究方法が指導可能であるとの承認を得ること

選考方法

面談(オンラインもしくは対面)のうえ、テーマの内容、面談結果等を総合的に考慮して選考を行います
 
<面談の申し込み方法>
面談を希望される方は、事前にメールで連絡してください
なお、面談の後に、テーマの見直しや文献の再調査をしてもらうことなどがありますので、なるべく早い時期に連絡をとるようにしてください
* テーマ設定で悩んでいる場合も、まず早めにメールでご連絡ください
 

 メールには、以下の事項を記載してください

(1) 希望する卒業研究のテーマ(動機、関心、内容など)
・参照文献、参照ウェブサイトを明記すること
・400字以上 (参照文献及び(2)以下の項目の記述は、文字数に含みません)
・複数の候補テーマがあってもかまいません
・メール本文に記載しても、添付ファイルでもかまいません
(2) 都合のつかない日時
(3) 氏名、学籍番号、連絡先メールアドレス、自己紹介
(4) 単位取得済み/履修中の法律系科目名

 
* 面談前に、CiNiiなどのデータベースを利用して、希望するテーマに関する文献等を調査してみてください
  その検索結果や入手した文献を面談の際に持参してください

その他

<研究テーマを探すヒント>
・ゼミで基本的なテキストとしている、田村善之『知的財産法』(有斐閣)<図情図書館「授業関連必読図書」コーナーにあります>、田村善之『著作権法概説』(有斐閣)などを参照してみてください
・「知的財産法の調べ方」(田村善之ウェブサイト)<https://webpark2085.sakura.ne.jp/chite1.htm>で紹介されている文献を参照してみてください。前田健=金子敏哉=青木大也編『図録知的財産法』、大石玄=佐藤豊編『18歳からはじめる知的財産法』などは初学者におすすめです
・図書館で、著作権法・知的財産法に関する書籍を探して参照してみてください
・法律関係の雑誌(著作権法に関する学術雑誌として、例えば「コピライト」<大塚図書館所蔵>)などを参照してみてください
・気になるキーワードから、文献などを検索してみてください
・筑波大学附属図書館の電子ブックでは、『著作権判例百選 第6版』、『著作権判例百選 第5版』が利用可能です。興味のある事例を探してみてください
  • 著作権判例百選 第6版<https://go.exlibris.link/Wk76Hh3l>
  • 著作権判例百選 第5版 <https://go.exlibris.link/Sk9qfp0C>

*学外から利用する際は統一認証のID/PWの入力が求められます

*同時利用アカウントは1です。利用後は速やかにログアウトしてください

*著作権判例百選の最新版は、第7版(2025年)です