吉田 右子
卒業研究指導方針(吉田右子)
2025年度 卒業研究指導方針
指導可能な研究領域
(1)公共図書館や生涯学習施設のサービスにかかわる実証的研究。研究可能なテーマで研究に必要な情報入手の見通しが立てば、どこの地域の図書館でもOKです。(海外と日本の図書館の比較研究は原則として行いません。)
(2)公共図書館サービスを支える組織(例えばアメリカ図書館協会など図書館関係組織)の実証的研究。組織が刊行する公式資料や公式サイトを中心に研究します。
(3)公共図書館の歴史的研究(20世紀を対象とします)。
図書館情報学図書館が所蔵する資料(春日キャンパスの図書館情報学図書館には、国内最大サイズの図書館情報学コレクションがあります)を中心に分析を行う文献を用いた研究です。
これまでの卒業研究テーマを下記にあげます。テーマ選びの参考にしてください。
<北アメリカ>
・BLM運動に対するアメリカの公共図書館図書館の反応:SNSの投稿に注目して
・アメリカの非都市地域における公共図書館の活動
・セクシュアル・マイノリティの子どもを対象としたアメリカの公共図書館サービス
・アメリカの図書館におけるプリントディスアビリティへのサービス
・1980年代アメリカ図書館における児童サービスと社会的背景
・アメリカにおける公共図書館と博物館の連携生涯学習プログラムについて
・アメリカにおける文化の多様性と公共図書館コレクション:資料収集方針に着目して
・アメリカ・カナダの公共図書館におけるセクシュアルマイノリティに対するサービス
・アメリカ・カナダの公共図書館における中国系住民に対するサービスについて
・アメリカの公共図書館における「遮断された人々」に対するサービスについて
・図書館による作家の著作活動に対する支援について
・アメリカ公共図書館における図書館友の会の現状
・アメリカ公共図書館における多文化サービスの現状
・カナダの公共図書館における多文化サービス
<ヨーロッパ>
・デンマークにおけるヒューマンライブラリーの実態調査
・北欧の公共図書館における高齢者へのIT利用支援サービス
・海外の公共図書館におけるディスレクシアへの支援サービスについて
・フィンランドにおける公共図書館の役割―ヘルシンキ市立図書館の取り組みを中心として
・スウェーデンにおける移民・難民への図書館サービスについて
・イタリア・ボローニャ市における公共空間の役割:サラボルサ図書館を中心に
・ヨーロッパの公共図書館におけるインターネット利用サービスの現状
・北欧の公共図書館における高齢者へのIT利用支援サービス
<オセアニア>
・オーストラリア公共図書館における移民・難民サービス
・オーストラリアにおける先住民族に対する公共図書館サービス:ブリスベン市の図書館プログラムに着目して
・ニュージーランド・オークランド市の公共図書館サービス:地域の特徴を活かしたプログラムに着目して
<アジア>
・「読書週間」の変遷:1923 年から1960 年に着目して
・公共図書館における読書犬による読書支援サービス
・公共図書館における発展的な貸出サービスの実態
・アクセシブルメディアの実態調査:国立国会図書館とサピエ図書館を対象にして
・アイヌ文化継承活動の現状と課題:北海道の社会教育施設に焦点を当てて
・沖縄県における児童・生徒への学習支援サービスの実態
・日本の公共図書館におけるプリントディスアビリティに対する支援:視覚的アクセシビリティに着目して
・公共図書館におけるマンガに対する論点の変遷
・図書館とともだち・鎌倉における活動の実態調査
・インドネシア西ジャワ州におけるメディア環境の変化を背景とした世代別情報行動
・教育格差を背景とした子どもへの学習支援の実態
・東南アジア諸国のコミュニティ学習センターにおける図書館の役割
・公共図書館の居場所としての可能性:上田情報ライブラリーにおけるフィールドワークを通して
・ネパールにおけるNGOによる図書館設置活動の現状と課題
・日本のNGOによる開発途上国への図書館支援について:公益社団法人シャンティ国際ボランティア会の取り組みに着目して
<現在の研究関心>
私自身の現在の研究関心は、社会的に孤立した人びと・不利な立場に置かれた人びと(移民・難民、先住民、LGBTQ、経済的困窮者、非識字者等)を対象とした公共図書館サービスです。アメリカの公共図書館の歴史的研究とヨーロッパ北部の公共図書館のフィールドワークを通して、文化的格差の解消にかかわる公共図書館の可能性について研究しています。
研究指導の概要
(1)指導の頻度
週1度、ゼミを行います。
(2)指導の方法
週1度のゼミで研究方法、内容、進捗状況などを話し合います。メールでの個人指導も頻繁に行います。
研究をすすめる上で望ましい条件
(1)上記の指導可能な研究領域の中で、自分の取り組んでみたい研究テーマがあること。
(2)配属決定後、原則として毎日大学のメールを確認して、応答が可能であること。
(3)週1回のゼミにきちんと出席して、卒業研究に関する課題を毎週提出すること。
*課題は1週間で問題なく終わる内容です!
(4)卒業研究提出まで、継続的に自分の研究テーマに関わる文献を読み続けることが苦にならないこと。
受け入れの必須条件
(1)【原則として面談第1週目に】面談すること(対面またはオンライン)。
(2)面談にあたって、希望するテーマとその概要(200字程度)を事前に提出すること。
(3)面談によって指導可能であるとの承認を得ること。
選考方法
その他
(1)面談希望の場合は日程調節をします。第1回の面談は研究室訪問第1週目に行いますので、【指導方針が公開されたら可能な限り早く】メールをください。
yyoshida@slis.tsukuba.ac.jp
(2)【添付ファイルではなく】メール本文に箇条書きで以下の項目をすべて記入してください。
・氏名
・学籍番号
・メールアドレス
・面談希望日時
・【研究をすすめる上で望ましい条件】の(1)から(4)を満たしているかどうか自己チェックし、その結果を簡単に記してください。
・希望するテーマ(複数でもOK)と概要200文字程度を【添付ファイルではなくメール本文に】記してください。
*希望するテーマについてCiNii Researchで関連論文を検索してみてください。20件以上の関連論文が検索結果として示される場合はテーマが広すぎるので、もう少しテーマを狭くする必要があります。また希望テーマに関する状況を調べるためには、Current Awareness Portal(https://current.ndl.go.jp/)も手がかりになります。トップ画面の右上の検索ウィンドウにキーワードを入れて検索してみてください。
(3)メールを受け取り次第、オンライン面談の予定を決め、面談を行ってテーマについて話し合います。