松村 敦
卒業研究指導方針(松村敦)
2025年度 卒業研究指導方針
指導可能な研究領域
現在の主な研究テーマの概要とこれまでの卒業研究は以下のとおりです.基本的に「絵本と子どもをつなぐ」と「情報探索支援」及びそれらに関わる研究が指導可能です.
絵本と子どもをつなぐ
幼児期の子どもと絵本の接点は,主に大人からの読み聞かせです.そのため,どのような絵本を大人が選択するかは非常に重要な問題となります.そこで,絵本の読み聞かせに焦点をあてて,子どものために絵本を選ぶことが可能な支援手法を検討します.子どもが絵本に対して示す反応から子どもの好みを推定する方法,子どもの反応を自動取得可能な電子書籍型絵本の開発,子どもの反応を利用した絵本の推薦システムの構築などについて研究します.また,図書館や幼稚園でのおはなし会のように集団に読み聞かせる場合の絵本の選択やプログラム作成の支援や,おはなし会の記録を利用した活動支援を考えます.子どもは絵本というメディアに対してどのような関わり方をするのかについて,心理学による検討も視野にいれながら解明し,システムとして支援します.
- 読み聞かせにおける読み手と聞き手の比較 —注目箇所と理解度に着目して— (2023)
- タイトルのデザインに着目した絵本提示インタフェース (2023)
- オンライン集団読み聞かせにおける聞き手同士の相互作用の創出―オンライン上の他児の発話に着目して― (2023)
- 視覚的な絵本探索支援としての『反重力本棚』の提案 (2023)
- 意外性をもたらす絵本推薦に関する研究 (2022)
- コロナ禍で制限された読み聞かせが読み手と聞き手に与えた影響 (2021)
- 子ども同士の絵本推薦を支援するシステムの開発 (2020)
- 場所情報とオノマトペを利用した絵本推薦システム「てくととぺ」 (2019)
- 絵本探しが楽しくなる親子向け絵本推薦システム「えほんかくれんぼ」の開発 (2018)
- 絵本の読み聞かせ速度が子どもの物語理解と集中度に与える影響 (2018)
- 絵本の読み聞かせ時の眼球運動と表情からみた子どもの絵本に対する嗜好 (2018)
- 眼球運動からみた子どもの絵本に対する嗜好 (2017)
- まじょのでし:図書との出会いを演出する子ども向け図書推薦サービス (2017)
- 絵本の主題の組み合わせと読み聞かせ順序の違いが絵本に対する解釈と理解に与える影響 (2016)
- ソーシャル絵本推薦システムにおける他者の推薦行動の可視化機能の影響 (2016)
- 子どもの質問に着目したソーシャル絵本推薦システムにおける自動推薦機能の影響 (2015)
- 絵本の読み聞かせ時の演じ分けが子どもに与える影響 (2014)
- 父親の読み聞かせに関する意識調査 (2013)
- お話会におけるプログラム構成支援システムの開発 (2013)
- 異年齢集団での読み聞かせにおける子ども達の相互作用について (2013)
- 絵本の読み聞かせ後の問いかけが子どもに与える影響 (2013)
- 絵本の読み聞かせにおける子供の反応と絵本の主題の関係性 (2011)
- 集団への絵本の読み聞かせにおける聞き手同士の相互作用に関する研究 (2011)
- 子供の様子に着目したお話会のための絵本選択支援の研究 (2010)
- 子どもの質問に着目したソーシャル絵本推薦システム (2010)
- 読み聞かせ時の子どもの反応と好きな絵本の内容との関係性~子どものための絵本推薦システムの実現に向けて~ (2009)(学内のみ)
- 読み聞かせ時の反応に着目した子どもの好みの取得方法に関する研究 (2007)(学内のみ)
情報探索支援
情報探索は,1回の検索で終わるような単純なものではなく,キーワードや検索システムを変えたりしながら繰り返す試行錯誤のプロセスです.このような活動を支援するために,情報検索のプロセスを記録する方法,記録されたプロセスを管理し活用する方法などについて研究します.人が如何に情報検索というプロセスを行なっているかを明らかにし,それをもとにしてシステムを設計・実装します.
- 大学の学びを基にした図書館内探索行動による興味の発見(2022)
- 情報検索における情報鮮度の提案(2022)
- ゲーミフィケーションによるウェブ情報の信頼性評価行動の促進(2021)
- 意外性のある資料の発見を促す図書館探索支援システム (2020)
- 実店舗における滞在行動に着目した意外性のある推薦システム (2019)
- 検索結果の分類動作を取り入れたウェブ検索支援システムの構築 (2018)
- 情報探索における欠落した情報の想起を促す探索プロセスの視覚的フィードバック (2017)
- web検索における検索誘導性忘却 (2016)
- ユーザの感情的・認知的側面に着目した対話型情報検索支援 (2015)
- 資料選択の幅を広げる新しい図書館資料アクセス方法の提案 (2015)
- 探索と振り返りの融合を目指した履歴可視化インタフェース (2011)
- 検索履歴と結果の重複に着目した論文検索支援システム (2010)
- クエリの推移および検索結果の重複に着目したWeb検索支援システム (2009)(学内のみ)
その他の多様なテーマ
もしもどうしても上記以外のテーマをやりたい場合,学生との議論で決定することもあります.例えば,以下のようなテーマをこれまでにやってきました.基本的には,Webベースのシステムを構築し,評価実験を行う研究ですが,そうでないものもあります.
- 読書再開時に提示する情報と内容想起の関連性 (2023)
- ライフログを用いたユーザーレビューの投稿支援 (2023)
- 感性エージェントを利用した合意形成支援システム (2022)
- ゲーミフィケーションを利用した学習継続支援システム (2021)
- 応答動作を行うキャラクタを用いた自省的思考を促進する思考整理支援システム (2021)
- タイムラインの猫化によるTwitterストレスの低減効果の検証 (2020)
- ヤンデレ度合いを活用したオンライン小説推薦システム (2020)
- 図書探索行動を利用した小学生向けプログラミング学習システム (2019)
- 「布教」の構造 ―個人別態度構造分析を用いた検討― (2019)
- エントリーシートを用いた深層学習による採用企業推定 (2019)
- 語および感情の結束度を考慮したオンライン小説の段落分割手法の提案 (2018)
- プログラミング初学者にむけたアルゴリズム的思考習得のための学習支援手法 (2017)
- 動画中における文章の快適な読み実現のためのパーソナライズ要素の検討 (2015)
- レビューと音源を活用した演奏楽曲選択支援システムの構築 (2015)
- トピックに対する理解に着目した知識構造の分析 (2014)
- 読書状況と所在情報に着目した読書管理システムBOOK COLLEC (2014)
- 嗜好抽出を目的とした電子書籍に対するアノテーションの分析 (2014)
- Sound Horizonの楽曲と解釈の繋がりを表現可能な電子掲示板システム (2014)
- 主観写真ライフログを用いた創造活動支援システムの開発 (2013)
- 自発的な学習意欲を向上させる学習支援システムの開発 (2012)
- 調べ学習指導者支援システム (2012)
- 公共図書館職員のモチベーション向上についての研究 (2012)
- 睡眠の質の向上を目指したAndroidアプリケーションSLook!の開発 (2012)
- 話題の中心に着目したTwitterまとめの可視化システム (2012)
- ユーザの嗜好を考慮したブックレビューランキング手法 (2011)
- 意見発見と思考記録に着目した電子掲示板閲覧支援システム (2010)
- 意見情報の時系列を考慮した議論可視化システム (2010)
- 情報の関係性に着目した文書作成支援システム (2009)(学内のみ)
- 嫌いから好きを導く~発見性を考慮した情報推薦手法~ (2009)(学内のみ)
- 複数画像の提示方法に着目した英単語学習法の評価 (2009)(学内のみ)
- 相互評価を支援するeポートフォリオシステムの研究 (2008)(学内のみ)
- 地図上の場所を介したコミュニケーションシステムの開発 (2008)(学内のみ)
- 擬人化コンテンツによる提示型インタフェース (2008)(学内のみ)
- 記事数とトラックバック数の時系列変化に着目したブログ空間の分析 (2008)(学内のみ)
- 問題解決における経験記述の有効性の検証 (2007)(学内のみ)
- 語の関連性に着目した辞書リーディングシステム (2007)(学内のみ)
研究指導の概要
松村研究室は,宇陀研究室と緩やかに連携して研究教育活動を行っています.
テーマは学生との議論の中から検討して設定します.基本的には週1回のゼミを行ないます.それ以外に,夏休みの集中ゼミ及び合宿を予定しています.各発表会前には臨時に発表練習会を行ないますが,その頻度は学生によって違います.ゼミでは,学生からの報告,他の学生を交えた議論を行ないます.
研究をすすめる上で望ましい条件
- 卒業研究を自分のこととして受け止められる人
- 自分のことだけでなく,研究室内の他のメンバーへの援助を惜しまない人
受け入れの必須条件
- 面談すること
選考方法
- 面談の申し込みは,https://matsumur.youcanbook.me で日時を指定してください.面談期間は 10/10(木)〜10/25(金)とします.最終週は都合により面談の時間が取れません.
- 面談では主に研究テーマについて相談しますので,上記松村の研究領域を参考に自分のやりたいことを考えてきてください.(資料を用意するかどうかは自由です)
- テーマは,基本的に「絵本と子どもをつなぐ」と「情報探索支援」に関わる研究を優先します.
- 希望者が定員を越えた場合は,面談内容から判断して選考します.選考時期は希望の状況を見て判断します.
- 面談は対面で行います.
その他
以下の日程でオープンラボを実施します.学生視点からの研究室を知る機会になると思いますので,ぜひ参加してください.宇陀研と合同です.会場は7D240です.
- 10月11日(金)3, 4限
- 10月15日(火)3, 4限
- 10月17日(木)3, 4, 5, 6限
インターネット上の参考情報は以下の通りです.
- 宇陀・松村研究室ページ http://niccoli.slis.tsukuba.ac.jp/
- 松村のX @mtsmr
- 宇陀・松村研X @udamatsu
- ゼミの様子などのまとめ mtsmrさんのまとめ
- 宇陀・松村研のハッシュタグ #UdMatLab