KLiS TODAY 31
4/8

 2016年4月、私たちはビャーネ・ハマー著のLIBRARIESという書籍の日本語訳の文章の編集作業に参加させていただきました。LIBRARIESは新アレクサンドリア図書館やアメリカ議会図書館といった図書館建築分野で名高い図書館を、美麗な写真と共に紹介している写真集です。各図書館やその写真に対する説明文について、図書館情報学を学ぶ学生からの視点や意見がほしいとのことで、ほるぷ出版や担当の方々および小峯隆生先生(筑波大学大学院非常勤講師)からお声をかけていただきました。 実際に私たちがさせていただいたのは、翻訳者の方が既に翻訳したLIBRARIESの日本語訳を、図書館情報学の観点から推敲・編集することでした。編集するにあたって大変だったことは、「原文が伝えたいことのニュアンスが保持されているか」「図書館関係者が納得できる文章か」「一般の読者もわかりやすい文章か」といった複数の重要な点をできるだけ満たすように、原文である英文と比較しながら文章を推敲することでした。一学生の身で本格的な仕事をさせていただくことへの不安もあるなか、限られた時間の中でこれらの条件を満たすように文章を推敲するのは並大抵のことではありませんでした。しかし、これまで学類の講義で学んだことをそれぞれが思い出し、一緒に作業を行った院生の方も交えて意見を出し合ったことで、なんとか満足のいく文章に仕上げることができました。 書籍は同年11月に『世界の図書館』という書名でほるぷ出版より出版されました。翻訳元の本の装丁と変わらないずっしりとした重みのあるハードカバーの書籍を手に取った時には、自分たちの働きの成果が形になった感慨深さと、仕事というものに対する重みを感じました。ほんの一部分ではありますが、書籍の編集作業に携わるという貴重な経験ができたことは、私たちの中で大変大きなものとなりました。このような貴重な機会とご指導を賜りました関係者の皆様に、改めて深く御礼申し上げます。(なかむら・みさき 知識情報・図書館学類3年次)(かのしま・みずき 知識情報・図書館学類2年次)(ふくだ・けいこ 知識情報・図書館学類2年次)

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る