KLiS TODAY No.28
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KLiS TODAY No. 28February 2016卒業研究に取り組んで野沢 健人 私は、「トピックモデルによる単語の分散表現手法に関する研究」という卒業研究に取り組みました。分散表現(Distributed Representations)は、ここ2,3年で流行っている研究対象で、単語を低次元のベクトル空間の1点として表現する方法です。分散表現をうまく学習することで、king - man + woman という単語の演算からそれらしい単語を求めることができます(この結果はqueenです)。卒業論文では、トピックモデルという手法を用いて分散表現を求める手法を提案しました。既存手法ではベクトルの次元と単語の意味の対応関係が解釈困難であるのに対し、提案手法では確率的に扱うことで次元の解釈を容易にしているところが特徴です。例えば以下の図は、2次元のベクトル空間にいくつかの単語を対応付けた分散表現の例です。分散表現をうまく獲得すると、意味の近い単語を近い座標に集めることができます。また、father–motherやman–woman、king–queenのような単語間の関係性もベクトル空間に反映できているために、単語間の演算が可能です。 分散表現を使った研究を3年次の「知的探究の世界Ⅱ-2」という授業の一環として行いましたが、分散表現が流行していることもあって、調査すべき先行研究が多く、とても挑戦的なテーマでした。また、卒業論文は今まで執筆してきた論文とは形式が違っていたので、執筆にとても時間がかかりました。実験と並行して執筆できる箇所から進めておくべきでした。 卒業論文を進める上で重要だと思ったのは主体性です。自分の論文については指導教員以上に詳しくならないといけないと思って取り組みました。自分がこの研究で成し遂げたいことは何であるのか、そのためにどの文献を調査する必要があるのかなどを自力で考えて取り組みました。もちろん指導教員との相談は欠かせませんが、あくまで自分の研究であることを意識してやったほうが実りの多い1年になると思いました。(のざわ・けんと 知識情報・図書館学類4年次)

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