KLiSTODAYvol19 電子書籍版
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2KLiS TODAY No. 19February 2013大庭 一郎 知識情報・図書館学類の教育は、理学・工学(自然科学)的アプローチと人文・社会科学的アプローチの両者の価値を認め、二つのアプローチを理解できるような文理融合のカリキュラムを特徴としています。本学類の卒業生は、この文理融合の教育を踏まえて、民間企業や公的機関に就職したり、大学院への進学を選択しています。このような多様な進路希望に対して、知識情報・図書館学類では、筑波大学の就職課および本学類が独自に提供する就職支援体制の双方を活用することによって、学生が多様な進路を選び取れるようにしています。 筑波大学は、開学当初の1973(昭和48)年に、全国の国立大学に先駆けて就職課を設置しました。就職課では、在学生がインターネット経由でアクセスできる「就職情報提供システム」を通じて、企業情報・求人情報だけでなく、OB・OG名簿や内定者報告などを閲覧できるようにしています。さらに、例年12月から1月にかけて学内で開催するOB・OG懇談会(学内企業説明会)は、参加企業約400社に勤務する本学OB・OGが来校して、企業の概要を説明し質問に応ずるもので、多くの在校生がこの懇談会を活用し、企業への就職に威力を発揮しています。 他方、知識情報・図書館学類では、就職課が実施するキャリア・就職相談とは別に、毎週金曜日にキャリアカウンセラーによる個別面談を行なっています(本号p.1参照)。毎年10月には、学類独自の3年次向け進路説明会を開催し、就職活動に備えています。 さらにそれらに加えて、2004(平成16)年2月から、公務員採用試験受験者のために、学類独自の「公務員試験準備講座(教養模擬試験)」を開始しました。現在では、2年次の9月から4年次の6月にかけて、隔週で合計44回の教養模擬試験を実施しています。というのも一定数の本学類生は、前身の教育組織の卒業生と同様に、図書館への就職を希望していますが、国や地方自治体が設置している図書館が多く、この場合、学生は、公務員採用試験(教養試験)に合格しなければならないからです。さらに、公務員採用試験の受験段階に応じて、志望理由書の執筆、機関訪問の準備、2次試験の面接に向けた助言等を行なっています。なお、「公務員試験準備講座(教養模擬試験)」は、人文科学、社会科学、自然科学の幅広い一般知識の習得をサポートするものとして、公務員・図書館系志望の学類生だけでなく、大学院進学や民間企業志望の学類生も活用しています。 これらの支援体制によって、ひとりでも多くの4年生が自分に適した進路をみつけ、それを手中に収められるよう、私たち就職担当教員はもとより学類の教職員一同、努力しています。(おおば・いちろう 知識情報・図書館学類 講師)筑波大学の就職課および知識情報・図書館学類の就職支援体制公務員試験準備講座の風景
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