筑波大学2018年スクールガイド
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 私がこの学類を卒業して、自分に残ったものは何かを考えてみました。 まず、「幅広い好奇心」を身に付けることができたと思います。一口に「図書館情報学」と言っても、図書館学、社会学、哲学、法学、統計学、情報工学などの様々な分野が含まれているため、必修として学ばなければならないことが多岐に渡っています。さらに、人文学、教育学、理工学、芸術学、体育学など他学類の学問に触れる機会もたくさんあります。また、広く浅い知識になるのではなく、4年次の卒業研究ではひとつテーマに1年かけてじっくりと取り組むことができます。つまり、「図書館」という言葉だけに惹かれている方は視野を広げることができますし、なんとなくこの学類が気になるけれど何に興味があるのかよくわからない方は自分の琴線に触れるような分野にきっと出会えると思います。 そして何よりも、大学生活を通してできた「人とのつながり」が今の私を支えています。この学類は他大学にあまり無い文理融合型カリキュラムの下で学べるということもあり、出身地、文系理系、興味関心のまったく異なるたくさんの人に出会えます。学生と教員の距離がとても近いため、各分野の権威と言われる先生方とも親密な関係を築くことができると思います。こうしてできた人とのつながりは、現在の仕事や私生活の様々な場面で活かされています。 皆さんが「幅広い好奇心」と「人とのつながり」を大切にして、充実した大学生活が送れることを心から願っています。17図書館情報メディア研究科博士前期課程 筑波大学知識情報・図書館学類卒業前田 仁 MAEDA Hitoshi このパンフレットを読んでいる皆さんの多くは、知識情報・図書館学類に入学した人、あるいは受験して入学したいと考えている人だと思います。志望理由は「図書館について勉強して司書になりたい!」「プログラミングのスキルを身につけて将来に活かしたい!」など十人十色でしょう。しかし、入学前に知ることができる情報は限られています。実際に入学してみて、「考えていたよりもたくさんのことができた!」という声も、「思っていたのと違った…」という声も、僕の周囲で出ていました。 ただ一つ言えるのは、自分の行動次第で思ったより色々な経験が出来る、ということです。学類の授業では知識や情報に関する幅広い内容を学ぶことができます。筑波大学の他学類で開講されている授業を履修して、他の分野について見識を広めることもできます。アルバイトやサークル、大学内の学生組織やその他趣味の活動など、4年間を通して多くの経験をすることもできます。学類名に掲げられる「知識」「情報」「図書館」に関する学びは、みなさんが大学で経験することを咀嚼し吸収する際の基礎となることでしょう。 大学生活で得た全ての経験が、自分という人間の土台を作っていくことになります。それは就職活動の時に武器になるものであり、卒業研究をする際の支えになるものであり、卒業後生きていく上での糧になるものです。どうかみなさんが入学後に、「自分はこうでなければダメなんだ!」という一つの考えに固執せずに、たくさんの「知識」を取り入れ、考え、広い見識を持つ人に成長してくれることを期待しています。慶應義塾大学理工学メディアセンター 筑波大学知識情報・図書館学類卒業村野 亜子 Murano Ako(株)アイヴィス 筑波大学図書館情報専門学群卒業佐々木 琢磨 SASAKI Takuma 私は高校の頃に地元の高等学校文化連盟の図書研究大会に参加するなどの活動を通し、将来的にも図書館や司書に携わることがしたいと思い、図書館情報専門学群(現在の知識情報・図書館学類)に入学しました。 しかし、入学して図書館や司書に関係する周辺分野、特に資料のデジタル化や、蔵書管理検索システムの仕組み、運用管理の方法といった情報科学の分野の学習を通し、物事の仕組みを考え、実際に動かしてみることが好き、という自分を発見することができました。もちろん、文系として入学したこともあり、最初は理数系の講義などは苦手でしたが、ある時は図書館に籠って自主的に勉強し、またある時は別の学類も含めて友人や先輩の力を借りたりして、いつの間にか理数系の領域が好きになっていきました。このように、本学類では思想や現実の現象も含めて体系的に理解を深められる環境が整っています。また、学術面だけではなく、サークルも充実しており、充実した学生生活を過ごすことができます。 その後、大学院に進学し、現実の問題をシステム的に改善や解消するアプローチについてより理解と興味が深まり、大規模システムに関わるべく就職を目指しました。そして、現在は、自分が目指した通りに社会を支える基盤システムの保守開発、運用管理業務に携わることができています。入学した時点とは結果的には異なった道に進んではいますが、自然な流れで自分が本当にやりたかったことを見つけることができたと感じます。 時間と契機、機会を十分に生かし、素敵な学生生活を送ってください。カット 保木本 智佳(図書館情報専門学群卒)

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