辻 慶太

卒業研究指導方針(辻慶太)

2022年度 卒業研究指導方針

氏 名:辻 慶太
所 属:知識科学主専攻
研究室:7D512号室

指導可能な研究領域

現在,以下の2つの研究を行って下さる方を募集しています。

(1) 公共図書館の社会的意義の経年的な変化を,因果推定の手法を用いて計量的に明らかにする研究

まず1970年代から現在にかけて,それまで公共図書館を持たなかった市区町村がいつ図書館を新設したかを調べます。そして新設の前と後の国勢調査等の結果から,その市区町村の経済状況や教育水準がどのように変化したかを把握します。さらに図書館を持たないでいつづけた市区町村の中から,上記市区町村に似たものを見つけ,上記変化は図書館の新設による可能性が高いと因果推定の手法で示します。現在,1970年代など昔は図書館の設置が自治体に大きな影響を与えたものの,ネットが普及した2000年代以降は徐々に影響を減らしているといった結果が出ることを考えています。図書館の効果の変化を追う歴史研究と言えるかもしれません。

(2) 国立国会図書館(及び公共図書館)が所蔵しておらず,大学図書館が所蔵している図書の研究

私は先日,国立国会図書館(及び大学図書館)が所蔵しておらず,公共図書館が所蔵している図書,それらのうち公共図書館が除籍してしまった図書,その結果,国立国会図書館も大学図書館も公共図書館も所蔵しなくなってしまった図書,が相当量存在することを示し,国立国会図書館が所蔵していない図書を公共図書館が除籍する時は,同館に寄贈することを提案しました。現在,対象を公共図書館ではなく大学図書館に変えた同様の調査を考えています。


これまで私は以下のテーマで論文を書いてきました。図書推薦はもう飽きた上に適任な先生がたくさんいらっしゃるので気が進みませんが,それ以外のテーマでしたら指導できます。

(1) 国立国会図書館が所蔵せず公共図書館が所蔵・除籍している図書(2019年~)
(2) Wikipedia閲覧者に対する図書館蔵書推薦システムの開発(2016~19年)
(3) 図書館の利用量を増加させるラーニング・コモンズの要素の特定(2014~15年)
(4) 貸出履歴等を情報源とした機械学習による図書推薦システムの開発(2011~14年)
(5) 公共図書館のレファレンスサービスとQ&Aサイトの正答率比較(2009~11年)
(6) 司書資格取得者のその後の人生に関する追跡調査(2006~08年)

研究指導の概要

ゼミは週1回で1人約30分です。研究テーマが決まっていない方には皆でテーマを考え,決まった後は進捗を発表し合うという形を取ります。

研究をすすめる上で望ましい条件

引きこもらない方が望ましいです。

受け入れの必須条件

面談をしたいので,配属を希望される方はメールを下さい。私のアドレスは keita@slis.tsukuba.ac.jp です。

選考方法

希望者数が定員を超えたことはないので,選考方法などはありません。

その他

私が発表してきた論文はこちらにあります。よかったら参考にして下さい。

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