松林 麻実子

平成24年度 卒業研究指導方針(松林麻実子)

2022年度 卒業研究指導方針

氏 名:松林 麻実子
所 属:知識科学主専攻
研究室:7D111号室

指導可能な研究領域

本研究室では,情報行動研究および情報メディア分析全般を扱います.研究手法としてはインタビュー調査や参与観察などの質的分析,人々の語りに対する内容分析などを採用しています.現時点で興味を持っているのは以下のようなテーマです.
  1. 「情報」「情報行動」のヴィジュアリゼーション:情報学の領域では「情報概念」や「情報メディア利用」という一連の行為を可視化することでその本質を明らかにしようとする試みが近年盛んになっています(visual methodとかvisual approachと呼ばれることが多いようです).抽象概念である「情報」や日頃何気なく使っている様々な情報メディアの連なりを可視化することで新たに発見できることがないかを考えるのがこのテーマの目標です.人々にとって「情報」って何?,ある場面における情報メディア利用を情報ニーズと情報探索というお決まりの構図ではなくネットワーク図で表すとどうなる?という問いと具体的な作業を通して情報もしくは情報行動に別の角度から迫ってみたいと考えています.
  2. 内容分析による潜在意識の表出:情報メディアに表現されていることを「ある程度」客観的に説明するための手法に「内容分析」があります.これまで新聞記事やテレビ番組,政治家の演説等を対象として,表現の特徴について調査することで隠れている意見・意識を浮かび上がらせることを目的とした研究が盛んに行われてきました.現在は映画やドラマ,コミック等の作品における「男性像」「女性像」の研究などが注目されています.皆さんが注目する,もしくは社会的に注目されている概念や現象をとりあげ,人々がそれらの概念や現象のどのような側面に焦点をあてて理解しているのかを,情報メディアに何が書かれているかという側面から考えてみたいと思います.
  3. 研究者とソーシャルメディア・研究データ:学術情報の流通は長い間学術雑誌を中心とする学術メディアによって支えられてきました.しかし近年では,ResearchGateなどに代表される学術系ソーシャルメディアの利用が増大したり,研究者がtwitterやFacebookなどの一般コミュニティ対象のソーシャルメディアで研究に関する情報をやりとりしたりすることが珍しいことではなくなっています.また,これまでは研究成果としての学術雑誌論文に焦点が当てられてきましたが,現在では「研究データ」の共有・公開を前提とする「オープンサイエンス」の考え方が注目されています.このように,現在の研究者と学術メディアを取り巻く環境は急激な変革の時を迎えています.現代社会において研究者はどのように研究活動を行っているのか,どのような学術メディアを利用し,どのように影響を受けながらコミュニケーションを行っているのかについて,研究者へのインタビュー調査や学術系メディアを対象とした計量的分析などを用いて明らかにします.

なお,いずれのテーマについてもアレンジは可能ですし,上記を参考にして思いついたアイディアがあればそれを研究するということでもかまいません.ただし,1)知識/情報・情報行動・情報メディアのいずれかの要素を含むこと,2)何らかのデータを収集し,分析すること,を必須条件とします.

研究指導の概要

  • プレゼミ(三年次),卒研ゼミ(四年次)ともに週1回の定例ゼミを行うことを原則とします.長期休暇中のゼミをどのような形で行うかについては実際にゼミが始まってから相談することとします.
  • プレゼミでは関連文献の輪読と教員のミニレクを通して対象研究領域の基礎知識を身につけます.基礎知識がある程度得られた段階で,卒業研究のテーマを決めます.この時「指導可能な研究領域」に挙げたテーマ・条件から逸脱しない範囲で決めていくこととします.
  • 卒研ゼミではそれぞれの卒業研究の進捗報告を中心に進めます.必要に応じて基礎知識の補強や口頭発表や論文の書き方等のノウハウを学ぶ機会を設けます.

研究をすすめる上で望ましい条件

  • 卒業研究を優先させられる.
  • 研究室の仲間と情報共有ができる.
  • 大量の英語論文を前にしてもひるまない.

受け入れの必須条件

  • 必ず面談を受けること.

選考方法

  • 面談において,希望する研究テーマ(指導可能な研究領域にあるテーマのうちのどれか,もしくはそれを自分なりにアレンジしたテーマ)の内容となぜそのテーマに興味を持ったのかについて説明してください.そのテーマが教員の指導可能な範囲におさまっていればOKです.
  • なお,現時点で研究テーマが確定している必要はありませんが,万が一希望者数が定員を超えた場合には研究テーマを少しでも具体的にイメージできている人を優先的に選考することをご了承ください.

 

その他

  • 面談を希望する方は電子メールでご連絡ください(宛先:mamiko[at]slis.tsukuba.ac.jp).面談に際してはオンライン・対面の両方に対応しますので,希望する形式を合わせてご連絡ください.
  • 大学院進学希望者を歓迎します.

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