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情報の爆発的な増大にともない，大量の情報から有用な「知識」を獲得する技術がますます重要となっています．この問題に対して，
- Web，学術文献，もの資料，絵本など様々な情報から知識を発掘し整理する手法
- 人がどのような状況で何を必要としているかといった人間の内面の分析と調査
という両側面からこの問題に取り組みます．これによって，人が知りたいこと（人に内在する要求）と世の中が知っていること（社会に遍在する知識）の両者を結ぶシステムをデザインします．
現在，主として予定している研究テーマの概要とこれまでの卒業研究は以下のとおりです．
- 情報探索プロセスの管理
- 情報探索は，１回の検索で終わるような単純なものではなく，キーワードや検索システムを変えたりしながら繰り返す試行錯誤のプロセスです．このような活動を支援するために，情報検索のプロセスを記録する方法，記録されたプロセスを管理し活用する方法などについて研究します．人が如何に情報検索というプロセスを行なっているかを明らかにし，それをもとにしてシステムを設計・実装します．
- 探索と振り返りの融合を実現する情報検索インタフェース (2011)
- 履歴活用型文献検索支援システムの評価 (2010)
- クエリの推移および検索結果の重複に着目したWeb検索支援システム (2009)
- 絵本と子どもをつなぐ
- 幼児期の子どもと絵本の接点は，主に大人からの読み聞かせです．そのため，どのような絵本を大人が選択するかは非常に重要な問題となります．そこで，絵本の読み聞かせに焦点をあてて，子どものために絵本を選ぶことが可能な支援手法を検討します．子どもが絵本に対して示す反応から子どもの好みを推定する方法，子どもの反応を利用した絵本の推薦システムの構築などについて研究します．また，図書館でのおはなし会のように集団に読み聞かせる場合の絵本の選択方法を，おはなし会の記録を利用して行なう方法を考えます．子どもは絵本というメディアに対してどのような関わり方をするのかについて，心理学による検討も視野にいれながら解明し，システムとして支援します．
- 0〜2歳児向けの絵本推薦手法：協調フィルタリングのためのプロファイルの検討 (2011)
- 集団への絵本の読み聞かせの効果：子ども同士の相互作用が及ぼす影響 (2011)
- おはなし会の絵本選択支援のための読み聞かせ記録共有システム (2010)
- 子どもの質問に着目した絵本の相互推薦環境 (2010)
- 読み聞かせ時の子どもの反応と好きな絵本の内容との関係性 〜子どものための絵本推薦システムの実現に向けて〜 (2009)
- 読み聞かせ時の反応に着目した子どもの好みの取得方法に関する研究 (2007)
- 個人記録の蓄積，編集支援環境の構築
- ソーシャルサービスの発達により，さまざまな個人記録が蓄積されるようになってきています．それらは，ソーシャルブックマーク，マイクロブログ（twitterやtumblrなど），掲示板やQ&Aサイト，各種のレビューサイトなど，複数のサービスに分散して存在します．これらの大量の個人的な記録を自分の知識として有効活用するためには，それらを再構成するための編集技術が重要になります．さらに，それらを他の利用者と共有し活用する仕組みが必要になります．そこで，蓄積した個人記録情報の断片を整理し編集する方法，それらを共有して協調的に活用する仕組みの実現について研究します．人が情報をどのように整理し知識化し自分のものとしているのかについての深い理解を目指します．
- ユーザの嗜好に合ったブックレビューランキング手法 (2011)
- 議論の理解と意見形成支援のための電子掲示板再構成システム (2010)
- 意見情報の変遷を考慮した議論可視化システム (2010)
- 情報の関係性に着目した文書作成支援システム (2009)
- 嫌いから好きを導く〜発見性を考慮した情報推薦手法〜 (2009)
- 相互評価を支援するe-ポートフォリオシステムの研究 (2008)
- 問題解決における経験知の利用と有効性の検証 (2007)
その他，上記にこだわらず学生との議論の中からテーマを設定します．例えば，以下のようなテーマをこれまでにやってきました．
- 複数画像の提示方法に着目した英単語学習法の評価 (2009)
- 地図上の場所を介したコミュニケーションツールの開発 (2008)
- 擬人化コンテンツによる提示型インタフェース (2008)
- 記事数とトラックバック数の時系列変化に着目したブログ空間の分析 (2008)
- 語の関連性に着目した辞書リーディングシステム (2007)
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