GE2 0701

質的調査法

Qualitative Research

学期曜時限

2学期 金曜日 1・2時限

教室 

7A205

2年

2単位

担当教員

武者小路 澄子

オフィスアワーと研究室

木5限 516

授業概要

人文・社会科学における調査方法としての質的調査法について、その基本的考え方と手法を理論的・実践的に学ぶ。質的調査法が前提とする「研究とは何か」、そこで基盤とされる諸々の研究上の立場 ― 方法論(methodology)― も射程に入れ、代表的な調査・分析方法を具体的に習得する。
質的調査法は、未知で複雑な現象に対して、調査者が予め意識化していなかったことを多層的に発見するのに有効であり、また人々が現実世界をどのように認識し、意味付けし、言語化しているか、等についての洞察を深めることが可能である。一方で、調査や分析における“客観性”や“妥当性”が問われることも多いため、こうした問題を整理して扱い、研究成果の提示方法についても検討する。

学習・教育目標

  1. 質的調査法とは何か、その基本的立場や考え方について理解する
  2. 具体的な諸手法について学び、これらを用い方・有効性・用いる上での留意点などの基礎知識を身に付ける
  3. 自らの調査課題について、具体的に諸手法の適用・応用を検討する
  4. 具体的な事例の中から、どのような課題にどういった手法が適切であるか、どのような成果はどういう提示の仕方が有効かなどを整理・判断する能力を身につける

授業計画

以下の課題を順に取り上げる。

  1. 質的調査法とはどのような方法か
  2. 調査方法とその実践計画、具体例

(インタビュー調査、参与観察、エスノグラフィ、ライフヒストリーとオーラルヒストリー,ドキュメント分析等、フィールドワークにおける代表的調査方法を取り上げる)

  1. 調査に関する基本用語、調査上にあたっての理論的背景と立場
  2. 分析方法とその方法論的立場、具体例

(データとその解釈、コーディング、内容分析、会話分析、談話分析、映像資料の分析等と方法論的立場を取り上げる)

  1. 質的調査法による研究成果の提示

(研究の評価基準、倫理的問題、プレゼンテーションに関して取り上げる)

  1. 質的調査の選択と意義

成績評価の方法

学期末試験

教材・教科書・参考書等

授業中に配布するプリントおよびプリントにて参照する文献

履修要件
前提知識,他科目との関連等

 

授業外の学習内容・方法

プリントと講義中に説明したこと・考えてみるように促したことについて理解し考えてください。特に、卒業研究で質的調査を用いる場合、自分だったらどうするかを必ず考え、そのために準備段階として必要な知識を上記の教材で身につけてください。

備考
講義のホームページ等

プリント以外に講義で説明することがあるので講義ノートを取るようにしてください。