科目選択ガイド
1. 卒業要件の科目区分とクラスタ
本学類の卒業要件は細則の別表1に定められています.カリキュラムを学年の進行に沿って表すと表1の履修計画となります.平成20年度に,第2外国語と外国語中・上級・英語S,国語の科目区分が関連科目から共通科目に変更され,芸術が共通科目として新設されました.この変更に伴い,19年度入学者と20年度以降の入学者では,表の細部が違っていますが,必要な科目や総単位数自体は変わっていません.
履修計画では,1年次はほとんどが必修科目ですが,徐々に選択の幅が広がり,3年次にはほとんど全ての科目を自分で計画的に選択しなければなりません.卒業には最低125.5単位が必要です.以下では基礎科目(共通科目と関連科目),専門基礎科目,専門科目の順に履修の方法を説明しますが,その前に必修科目,選択科目,自由科目の違いを理解しておきましょう.必修科目は必ず修得しなければならない科目,選択科目は特定の目的で開設される限られた科目の中から選択して履修する科目,自由科目は学類の専門教育を補う形で,あなた自身が全学の幅広い科目群の中から計画的に選択して履修する科目です.
本学類では専門基礎科目や専門科目として開設している科目群を,専門教育としての関連性を考慮し,クラスタという単位にまとめています.クラスタ単位に履修することで,関連した内容を有機的かつ十分に学修できるようになっています.クラスタ内の各科目は原則として同じ曜時限に,適切な順序で開講します.選択科目はできるだけクラスタ単位で選択するようにしてください.2. 基礎科目
基礎科目は幅広く深い教養と総合的な判断力,豊かな人間性を涵養することをめざして設けられた区分で,大学生として共通に学ぶべき科目群である共通科目と学類ごとに内容を定める関連科目に分かれ,それぞれに修得単位数が定められています.共通科目の履修方法は全学で統一して定められています.
本学類では共通科目の必修科目として,総合科目Aを6単位以上,総合科目B(フレッシュマン・セミナー)を1単位,体育を2単位,第1外国語(英語)を4.5単位,第2外国語を3単位の合計16.5単位以上修得することになっています.(19年度入学者は共通科目の必修科目は13.5単位,関連科目の必修科目が3単位となります)
体育,第1外国語,第2外国語は学類・学年ごとに曜時限・クラスが指定されており,原則として変更できません.1年次のうちに体育の1単位を除く15.5単位の修得をめざしてください.1年次に第1外国語,第2外国語の単位を修得できないと次年度以降の科目選択に大きな制約が生じるので注意してください.
総合科目Aや体育は共通科目の自由科目としても履修可能です.また,芸術,国語,外国語(外国語中級,外国語上級,英語Sの総称)は,20年度以降入学者は共通科目の自由科目として,19年度入学者は関連科目の自由科目として履修できます.本学類では情報処理(上級)は自由科目になりません.この他,関連科目の自由科目として,特設自由科目や他学類の開設科目が履修できます.
表1a 標準履修年次別の科目配分に基づく履修計画(平成20年度以降入学者用)
区分 |
1年 |
2年 |
3年 |
4年 |
必要 |
||||||
共通 |
体育 |
1 |
体育 |
1 |
|
|
16.5 |
||||
専門基礎 |
必修 |
知識情報概論 |
2 |
知識情報演習I |
2 |
|
|
25 |
|||
選択 |
情報社会と法制度 |
2 |
知的財産概論 |
2 2 |
|
(21科目42単位中から) |
32 |
||||
自由 |
|
知的探求の世界I |
1.5 |
知的探求の世界II |
1 |
|
|
||||
社会体験実習 |
1 |
||||||||||
専門科目 |
必修 |
|
|
主専攻実習 |
2 |
卒業研究 |
6 |
10 |
|||
選択 |
|
|
自専攻の専門科目 |
20 |
30 |
||||||
|
知識情報特論 |
2 |
|||||||||
自由 |
|
|
|
|
|
|
|
|
12 |
||
合計 |
(必修31.5単位) |
40 |
(必修10単位) |
40 |
(必修4単位) |
30 |
(必修6単位) |
16 |
125.5 |
合計欄に示した単位数は卒業に向けて必要な最小限の単位数を各学年に割り振った目安です.実際には各学年でこれよりも多くの単位を修得するよう履修計画をたててください.
3. 専門基礎科目
専門科目の前提として学んでおくべき基礎的な科目群を専門基礎科目といい,本学類では概ね1~2年次を対象に開設します.いずれの主専攻にも共通する基礎的内容です.14科目(25単位)の必修科目すべてと21科目中16科目(32単位)以上の選択科目を修得することが卒業の要件です.専門基礎科目の選択科目は,できるだけ多くの科目を履修するよう計画してください*.
* ただし,2年次向けの専門基礎科目を2年次にすべて履修登録すると,体育1単位と合わせて44単位となり,キャップ制のほぼ上限に達します.他に履修したい科目がある人は,専門基礎科目の選択科目の何科目かの履修を先送りする必要があります.
専門基礎科目のうち「知識と人間」クラスタの4科目は知識科学主専攻の専門領域に関わる導入的な内容,「知識とシステム」クラスタの4科目は知識情報システム主専攻の,「知識と社会」クラスタの4科目は情報経営・図書館主専攻の導入的科目群です.2年次にはこれらの科目を学びながら,どの主専攻を志望するかを考えてください.
専門基礎科目の自由科目は固有の目的を持って開講されます.万人向けの内容ではないので,科目の趣旨をよく考えて受講してください.「社会体験実習」は知識情報・図書館学類の専門領域に関するボランティア活動に従事しながら,教員や専門家の指導を受けることで,社会的な視野を拡げながら専門的な技術を体得します.
「知的探求の世界I」「同II」は,三つの狙いを持って開講されます.第一の狙いは,深い教養教育の機会の提供です.教養とは個人が社会と関わり,経験を積み,体系的な知識や知恵を獲得する過程で身につけるものの見方,考え方,価値観の総体です.知識情報・図書館学類は,多様なものの見方,考え方を学ぶ機会を提供していますが,それに対して,一つの主題領域を深く学ぶ過程を経験する機会として「知的探求の世界」を位置づけます.二つめの狙いは,カリキュラムの枠組みを超えた自由な学びの場の提供です.本学類には人文学,社会科学,理工学など多様な専門領域を持つ教員が揃っています.その多様性を活かして,カリキュラムの構成とは別に,その枠を超えた自由な教育の場として,「知的探求の世界」を位置づけます.三つ目の狙いは,教員との長い,深い接触のもとで行われる少人数教育の提供です.教育には単なる知識の伝達を超えたものの見方,考え方,知恵,技といったものの伝承という側面もあります.師と弟子のような,しかし現代的な自由な関係の中での少人数教育として,「知的探求の世界」を位置づけます.
そのため,「知的探求の世界」は各教員がカリキュラムの枠を超えて自由に特定領域を設定し,内容も方法も全く自由に構成します.しかも,教員の講義を聞いて受動的に学ぶスタイルではなく,教員のガイドのもとに学生が自分の力で学ぶことを基本とします.例えば,その領域の古典の講読に集中する場合もあるでしょうし,入門から発展までの講読を体系的に進めることもあるかもしれません.演習を通じてある技術を深く習得する場合もあるでしょう.「知的探求の世界」は,2年次から1年半という長い期間をかけて継続的に,入門から一定の深さに至るまでの一貫した学習ができるようにします.しかし,卒業研究が始まるまでには終わり,卒業研究と並行して履修することはありません.また,卒業研究の指導と知的探求の世界の履修は連動しません.卒業研究の指導教員は,決定ルールに従って定めますが,結果的に同じ指導教員になることもあります.4. 専門科目
3年次に主専攻が決まると,自分が所属する主専攻の主専攻実習を履修しなければなりません.また専門英語III(1学期)と同IV(2学期)も必修科目です.専門英語は各主専攻に対応する形で3クラス開講されますが,所属する主専攻とは無関係に,どのクラスを履修してもかまいません.
3~4年次には,自分の主専攻の専門科目を20単位(10科目)以上,他の主専攻あるいは学類共通の専門科目から合計して8単位(4科目)以上を修得してください.主専攻ごとに17科目前後の選択科目が開設されます.他主専攻の主専攻実習は他主専攻の専門科目の一つとして(実習の定員範囲内で)履修できます.卒業に必要な専門科目の大半は3年次に履修できるはずです.4年次は知識情報特論を1, 2学期に各1科目(計2単位)と卒業研究(6単位)を必ず履修してください. 4年次には多くの時間を卒業研究に使えるよう,特に3学期は卒業研究以外の科目をできるだけ履修しないよう計画してください.5. 自由科目
自由科目は,あなた自身の興味・目的に沿って自律的・計画的に学習することを目的に設けられた履修区分です.本学類では自由科目として12単位以上の履修が必要です.外国語の学習を2年次以降も継続させても良いでしょうし,あなたが興味を持っている他学類の専門領域を深く学んでも良いでしょう.本学類の専門領域を深く学ぶために専門科目や専門基礎科目を人よりも多く学ぶことも可能です.自由科目に関する卒業要件はやや複雑なので,説明のために細則別表の該当部分を表2のようにまとめ直しました.
自由科目は科目区分や科目ごとに上限が決められています.この上限の範囲内で12単位以上の修得が必要です.関連科目の自由科目を12単位以上修得した場合はこれだけで卒業要件を満たしますが,専門基礎科目,専門科目の場合,他の区分の自由科目と合わせて12単位以上とする必要があります.
共通科目のうち,6単位を超えて修得した総合科目Aの単位は共通科目の自由科目に区分を変更することができます.最初から自由科目として履修登録することもできます.また,自由科目として開設される体育の単位も共通科目の自由科目です.また,平成20年度以降の入学者は,国語,芸術,外国語中・上級・英語Sを共通科目の自由科目として履修できます.ただし,総合科目Aとしての自由科目は0~6単位,体育としての自由科目は0~2単位のように指定されているので,総合Aは6単位,体育は2単位までしか,卒業要件上必要な12単位の自由科目に含めることはできません.例をあげると,自由科目の芸術を8単位修得してもかまいませんが,卒業要件の自由科目としては6単位しか認められないため,卒業のためには他で6単位修得しなければなりません.
関連科目の自由科目として,本学類では特設の自由科目,博物館に関する科目,他学類の開設科目を卒業要件に含めることができます.一方,「教職に関する科目」を自由科目にすることはできません.また,平成19年度の入学者は,国語,芸術,外国語中・上級・英語Sを関連科目の自由科目として履修できます(平成20年度以降の入学者のような科目別の上限はありません).なお,他学類の科目を履修する場合は,標準履修年次に留意し,シラバス(他学類のシラバスは学群学務係あるいは図書館情報学図書館,各学類のWebサイトで公開されています)で受講制限の有無や前提となる科目や知識等を良く確認してください.また初回の授業には必ず出席し,担当教員に受講の可否を確認することをお勧めします.一般に,基礎的な知識も持たずに専門性の高い科目を受講しても,理解は困難ですし,単位の修得も不可能です.
専門基礎科目では,32単位を超えて修得した選択科目を自由科目に区分変更できます.また自由科目として開設された専門基礎科目の修得によっても自由科目の単位が得られます.
専門科目では特に自由科目として開設される科目はありませんが,2単位を超えて履修した知識情報特論,20単位を超えて履修した自主専攻の専門科目,8単位を超えて履修した他主専攻や学類共通の専門科目を合計8単位まで自由科目に区分を変更できます.表2a 自由科目に関する要件(平成20年度以降入学者用)
区分 | カテゴリ等 |
自由科目として |
共通科目 |
総合科目A |
0~6 |
体育 |
0~2 |
|
国語 |
0~2 |
|
芸術 |
0~6 |
|
外国語 |
0~6 |
|
合計 |
0~12 |
|
関連科目 |
自由科目 |
0~12 |
専門基礎科目 |
選択科目 |
0~8 |
自由科目 |
||
専門科目 |
知識情報特論 |
0~8 |
自主専攻 |
||
他主専攻・共通 |
||
総計 |
12 |
表1b 標準履修年次別科目配分と履修計画(平成19年度入学者・平成21年度編入学者用)
区分 |
1年 |
2年 |
3年 |
4年 |
必要 |
||||||
共通 |
体育 |
1 |
体育 |
1 |
|
|
13.5 |
||||
関連 |
第2外国語 |
3 |
|
|
|
3 |
|||||
専門基礎 |
必修 |
知識情報概論 |
2 |
知識情報演習I |
2 |
|
|
25 |
|||
選択 |
情報社会と法制度 |
2 |
知的財産概論 |
2 2 |
|
(21科目42単位中から) |
32 |
||||
自由 |
|
知的探求の世界I |
1.5 |
知的探求の世界II |
1 |
|
|
||||
社会体験実習 |
1 |
||||||||||
専門科目 |
必修 |
|
|
主専攻実習I, II |
2 |
卒業研究 |
6 |
10 |
|||
選択 |
|
|
自専攻の専門科目 |
20 |
30 |
||||||
|
知識情報特論 |
2 |
|||||||||
自由 |
|
|
|
|
|
|
|
|
12 |
||
合計 |
(必修31.5単位) |
40 |
(必修10単位) |
40 |
(必修4単位) |
30 |
(必修6単位) |
16 |
125.5 |
表2b 自由科目に関する要件(平成19年度入学者・平成21年度編入学者用)
区分 | カテゴリ等 |
自由科目として |
共通科目 |
総合科目A |
0~6 |
体育 |
0~2 |
|
合計 |
0~6 |
|
関連科目 |
自由科目 |
0~12 |
専門基礎科目 |
選択科目 |
0~8 |
自由科目 |
||
専門科目 |
知識情報特論 |
0~8 |
自主専攻 |
||
他主専攻・共通 |
||
総計 |
12 |