KLiS TODAY 31
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 知識情報・図書館学類4年生の必修科目として知識情報特論ⅠとⅡがあります(年度によって、ⅢとⅣ)。この科目は、論文執筆・プレゼンテーションの注意点、担当教員による研究紹介、大学院生による研究事例、研究倫理、卒業生によるキャリア形成の紹介、など多様な内容で構成されています。ここでは、キャリア形成に関する4人の卒業生の講演を紹介します。 村野亜子さんは、知識情報・図書館学類を卒業した後、大学院を経て、慶應義塾大学理工学メディアセンターに勤務しています。図書館業務以外にもサイエンスカフェなどのイベントの企画、センターニュースの編集、研修会の企画運営などさまざまな業務を担当しています。文章能力だけでなくレイアウト能力も問われることや、上司から「この時間までに、ここまで」を常にイメージして計画しなさいとアドバイスされたことなどを紹介してくれました。 佐々木琢磨さんは、知識情報・図書館学類の前身である図書館情報専門学群を卒業した後、大学院を経て、ソフトウェア会社に勤務しています。システムの観点からみた課金ゲームの問題点など、守秘事項に触れない範囲で仕事の内容を熱く語ってくれました。卒業研究が終わってから就職までに読むとよい本をいくつか紹介し、最後に、行動前に「あるべき姿」を考える、失敗したら失敗の原因を2、3段階掘り下げて反省する、ということばで締めくくりました。 折戸晶子さんは、図書館情報専門学群のさらに前身である図書館情報大学を卒業し、明治大学図書館に勤務しています。最初は不本意だと思った庶務業務もやってみると自分に合っていたし視野も広がったこと、外部機関での研修のチャンスを逃さないようにしたこと、当時はまだ少なかった女性管理職への昇格試験にチャレンジしたこと、新図書館建設プロジェクトに携わる好機に恵まれたことなど、少し無理をしてでもチャレンジすることの重要性を伝えてくれました。 杉山美佳さんは、折戸さんと同期で図書館情報大学を卒業し、NTTコミュニケーションズに勤務しています。企業活動の仕組みや会社で働くことの意義を、多くの図を使って紹介してくれました。 「昔」は具体的なゴールを設定しそこに向かってひたすら努力する「山登り」が主流だったが、「今」は大体の方向だけ決めて目前のものを選択しながら柔軟に進行する「川下り」のほうが時代に合っているなど、さまざまなアドバイスが盛り込まれていました。

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