KLiSTODAY Vol.23
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 3 月上旬の10 日間ほど、学生たちと米国サンフランシスコに行ってきました。昨年に続いての海外研修企画で、訪問先はスタンフォード大学、カリフォルニア大学バークレー校、サンフランシスコ公共図書館等です。この時期のサンフランシスコは雨が多く、気温も日によって大きく変わるので、けっして過ごしやすくはないのですが、それでも晴れた日のスタンフォード大学のキャンパスやバークレーの街並みはとても美しく、フィッシャーマンズワーフなどの観光地は華やかです。一方、通りを一本入っただけで一気に猥雑さを増すのがこの街の米国を代表する都市たるゆえんで、そういうところは面白いなぁと思います。 市庁舎2階にあるハーヴィー・ミルクの胸像を見て、「おぉ、ショーン・ペン!」(彼は映画でミルク役を演じてアカデミー最優秀主演男優賞をとりました)と心のなかで叫んだり(本来なら、マイノリティの闘いの歴史に思いを馳せるのが正しい態度でしょう)、アルカトラズで元囚人(!)が自伝の出版を記念してサイン会を開いているのを見て、商魂たくましさに舌を巻いたり(ここも本来は、アルカトラズの歴史に衝撃を受けるべきであるに違いありません)。米国とは、つくづく飽きない国です。 そしてこの国では、日常生活では見過ごしがちな、他者とふれ合う幸せを再確認することができます。たとえば、コンビニエンスストアで買い物をしたときに、ナイスガイな店員がとびきりの笑顔で”Have a nice day!”と声をかけてくれたりして、それはけっこう嬉しいことだったりします。 訪問先がどこも米国有数の素晴らしい場所なのは言うまでもないことで、参加者はこの貴重な機会を今後の学習に最大限活かしてくれることを心から願います。ですが、誤解を恐れずに言うなら、この研修の意義はそれ以外のところにあります。そして、それを感じとるのに語学力も学校の成績もおそらくそれほど必要ありません。とにかく行ってみて、失敗を恐れずに何でも試してみて、結果として、その人なりのきれいな景色が見えているといいなと思います。(まつばやし・まみこ 知識情報・図書館学類 講師)ソコカラナニガミエル? 〜米国短期研修を終えて〜松林 麻実子スタンフォード大学フーバータワーの展望台で(左から、野沢・青木・脇田・筆者)

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