高久 雅生

2023年度 卒業研究指導方針

氏 名:高久 雅生
所 属:知識情報システム主専攻
研究室:7D208号室

指導可能な研究領域

情報検索、情報探索行動、電子図書館、学術情報流通に関わるシステム的アプローチの研究を行っています。特に、下の表に示すような研究領域やキーワードに該当するような研究テーマから、システムの構築を通じた新しい手法の提案やデータ分析に基づく新たな課題発見や課題解決を行うことを目指します。

例年、基本的には学生の興味関心に応じてテーマ設定を相談したうえで、指導していきます。来年度卒業研究では特に「ブラウジング型情報探索の支援手法の開発」と「Linked Open Data (LOD) データセットとその利活用システムの開発」といったテーマの課題に取り組む学生を歓迎します。

研究領域 キーワード
情報検索
情報探索行動
文書検索, ウェブ検索エンジン, クエリ拡張, 適合, 利用者満足度, 検索評価, 検索評価指標, 多様性検索, 異メディア横断検索, 文書・エンティティ同定
探索タスク, 探索行動カテゴリ, 知識変容, コンセプトマップ, ブラウザログ, 視線分析, ブラウジング
情報組織化 メタデータ, Linked Open Data (LOD), OPAC, FRBR, BIBFRAME
電子図書館
デジタルアーカイブズ
図書館サービス, OPAC, 図書館業務システム, 深層ウェブの利活用, Digital Humanities
学術情報流通
学術情報共有
オンラインジャーナルプラットフォーム, DOI, 著者ID, 論文同定, 査読, Altmetrics, ソーシャルメディア
共同作業, データ保存, インフォーマルコミュニケーション, E-Science, Wiki, ディスカッション

※以下に教員自身が関わってきた研究プロジェクトや開発システムとその参考文献を例示します。参考にしてください。

研究指導の概要

1) 研究室全体ゼミによる進捗報告と発表(隔週: 約2時間)、2) 個人面談による指導(毎週: 約1時間)を、1年間続けることによって、卒業研究を組み立てることを目指します。

3年次においては演習などを通じて、卒業研究の遂行に必要なツールの学習、研究テーマのアイデア出し、研究論文の読解等のいずれかまたは複数を実施します(年度により異なります)。4年次初頭までには個々人の興味関心に応じた個別の研究テーマを設定し、1年間の研究計画を立てられるようにします。

研究をすすめる上で望ましい条件

  • 研究テーマに関するやる気、興味・関心: 卒業研究は自分自身が興味・関心のあるテーマを1年間追い続けるものです。興味関心の無いテーマを1年間継続するような苦行は不要です。興味関心のあるテーマを持つようにしてください。
  • 他者に対する興味・関心: 図書館情報学領域における研究の対象は究極的には「ひと」(著者・出版者、図書館員、利用者、探索者)です。他者をよく観察し、そのニーズを把握することが求められます。自身の研究が誰のどのようなニーズを解決するか明快に説明できるようにしましょう。
  • リラックス気持ちの切り替え: 卒業研究は1年間と比較的長期間です。学業・研究とは関係ない、時に気分を切り替えたりリラックスできるような趣味を保つようにしましょう。

受け入れの必須条件

期間中に必ず個人面談を行ってください。面談予約は下部のフォームから登録してください。なお、面談を円滑に進めるため、A) これまでに自身が関わったことのあるシステム・研究課題, B) 卒業研究の研究テーマ案の2点について記載した資料を作成のうえ、説明をお願いします(A4で1-2ページ程度)。

  • これまでに自身が関わったことのあるシステム・研究課題:授業や実習、アルバイト等で開発したシステムや日常的によく使うシステム等どのようなものでも結構です。単に利用してきてよく知っているというだけでもかまいません。システムの説明であれば、スクリーンショットや使い方のメモ等も加えてください。
  • 卒業研究の研究テーマ案:卒業研究として取り組んでみたい研究テーマがあれば、140字以上1000字以内で説明してください。ただし、現時点で特定のテーマが念頭に無いようなら「特になし」としてかまいません。

選考方法

定員を超過した場合は、希望する研究テーマの親和性等に応じて選考します。

その他

面談予約は以下のフォームから登録してください: https://masao.youcanbook.me/

※面談はオンライン/対面のいずれでも受け付けます。曜日時間帯の都合など、対面かオンラインのいずれが都合が良いか面談予約フォームを記入してください。

現在ゼミに所属している学生たちにざっくばらんに相談できる機会としてオープンラボ(対面)の時間を設けます。日時は決定次第、下記ゼミのウェブサイトに掲載しますので、ご確認いただければと思います:

  • 日時:2023年10月17日(火)放課後 (18:00~19:30)
  • 場所:7D221 共同研究室

参考文献

  1. 高久雅生, 江草由佳, 寺井仁, 齋藤ひとみ, 三輪眞木子, 神門典子: "タスク種別とユーザ特性の違いがWeb情報探索行動に与える影響: 眼球運動データおよび閲覧行動ログを用いた分析". 情報知識学会誌, 2010, vol.20, no.3, p.249-276. http://doi.org/10.2964/jsik.20-026
  2. Hitomi Saito, Yuka Egusa, Masao Takaku, Makiko Miwa, Noriko Kando: "Using Concept Map to Evaluate Learning by Searching". Proceedings of the 34th Annual Meeting of the Cognitive Science Society (CogSci2012), 2012, http://mindmodeling.org/cogsci2012/papers/0173/index.html
  3. 高久雅生, 江草由佳: 簡易類似文書検索手法「ふわっと関連検索」の評価と予備的分析. 情報処理学会 第150回データベースシステム・第99回情報基礎とアクセス技術 合同研究発表会, 2010, 6p. http://id.nii.ac.jp/1001/00070117/
  4. 田辺浩介, 高久雅生, 江草由佳: 疎結合構成によるFRBRモデルに基づく書誌情報システム. 情報知識学会誌, 2014, vol.24, no.3, p.321-341. http://doi.org/10.2964/jsik_2014_031
  5. 江草由佳, 高久雅生: 教科書 Linked Open Data(LOD)の構築と公開. 情報の科学と技術, vol.68, no.7, pp.361-367 (2018-07) DOI https://doi.org/10.18919/jkg.68.7_361
  6. 吉川次郎, 高久雅生, 芳鐘冬樹: Wikipediaに学術文献の参照記述を追加する編集の特定手法. 情報知識学会誌, vol.30, no.3, pp.370-389 (2020-10) DOI https://doi.org/10.2964/jsik_2020_033
  7. 佐藤いつみ, 高久雅生: Linked Open Dataを用いた年中行事・祭礼情報の構造化とその利活用. 人文科学とコンピュータシンポジウム2020, pp.107-114 (2020-12) http://id.nii.ac.jp/1001/00208583/
  8. 榎本聡, 大井将生, 高久雅生, 阿児雄之, 有山裕美子, 江草由佳. 学習指導要領のLinked Open Data化による学習への利活用にむけた検討. 日本教育工学会研究会, 日本教育工学会研究報告集, vol.2022, no.1, pp.135-142 (2022-05) https://doi.org/10.15077/jsetstudy.2022.1_135

その他の研究発表文献の全リストは http://masao.jpn.org/pub/ を参照してください。

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